Phase1エニシアスとの出会い、
そして始まり。出会い
クラウドへの移行も視野に、
新たなSler開拓へ
弊社は半導体・電子部品等のメーカーとして、多種多様な製品を生産しています。日進月歩の業界で、製品のさらなる品質向上を図るためには、製品の生産を担う製造ラインのデータ活用が不可欠です。私たちは、その実現に向けて、データ分析基盤システムをデータの管理・分析・加工・可視化できるシステムに刷新したいと考えていました。
一方で課題も山積していました。具体的には、①チーム内でシステムに関わる人材が少なく、社内メンバーの限られた知識・ノウハウだけで新システムを構築することが困難。②従来のSlerは、対応できる範囲が、アテンドされたエンジニアのスキルに限られており、課題解決に向けた提案や幅広い技術分野の対応力が不足していた。③私個人は、現在のオンプレミスのサーバーでは、メンテナンス面の労力とコストの負担が大きいため、それらを外部委託できるクラウドの有用性に着目していたが、クラウド全般に関するノウハウが無い、等があげられます。
これらの課題を解決するためには、弊社の企業文化と課題を理解したうえで、さまざまなテーマにフレキシブルに対応し、既存のオンプレシステムの改善からクラウドの導入、サービス運用までの手ほどきをしてくれる、新しいパートナーとの出会いが必要でした。
エンジニア視点に違いを直感。
エニシアスの提案力を検証
エニシアスとの出会いは2017年10月に開催された展示会「Cloud Days」にまで遡ります。「Cloud Days」におけるエニシアスの切り口は、もちろんクラウドでしたが、クラウド以外の対応力について質問したところ、幅広く対応できるとのこと。そのときエニシアス担当者の話を聞いて印象に残ったのは、ありがちな営業トークではなく、彼らがエンジニアの見地から話をしている点でした。売り込みたいではなく、共に課題を解決していきたい、という姿勢が他のSlerと一線を画しており、高いポテンシャルと可能性を感じました。その後、エニシアス担当者から積極的なアプローチがありましたので、この機会にエニシアスの実力・対応力を試す意味を込めて、複数の提案を依頼しました。「データバックアップの最適解」もそのひとつです。当時、弊社ではIoT機器など増え続けるビッグデータのバックアップ管理に課題があり、大規模な改善を計画していました。しかし、改善は社内メンバーにとってハードルが高く、社外のエキスパートの力を借りる必要がありました。あくまで試験的な依頼でしたが、詳細なヒアリングに基づいたエニシアスの提案は、予想を大きく上回る高い専門性と技術力に裏打ちされたものでした。他社と違いエンジニアが直接対応しているので、弊社システムへの理解が早く、クラウド以外の分野でも適切なストーリー立ての切り口であったことが印象に残りました。
実際の取組として、各部門のIT系社員のリーダークラスを集めた「データバックアップセミナー」をエニシアスが開催し、社員にビッグデータにおけるバックアップやデータ管理についての対策を学んでもらうことになりました。また、近い将来のクラウド化を見据え、IT系社員に対しクラウド化の利点を理解してもらう「 Google Cloud™ ハンズオンセミナー」も併せて開催。エニシアスのエンジニア数名が弊社を訪れ、分かりやすいセミナーを実施したことがきっかけとなり、社員の意識が高まり、現在のデータバックアップ施策に活かされております。また、多くの社員のクラウドに対する理解・知識が深まったことも大きな収穫でした。これらの手厚いサポートからも、単なる技術提供だけでなく、技術を扱う人の意識改革もサポートできる、エニシアスの懐の深さを実感しました。
Phase2エニシアスってどんな会社だろう。試行錯誤
試験的なソフト開発を依頼し、
エニシアスの技術力を検証。
試験的な提案やセミナーを通じてエニシアスの実力の一端を確認したので、次のステップとして、比較的コンパクトな案件をエニシアスに依頼し、私たちの業務の一部をサポートする形で取り組んでもらいました。そうすることで、業務テーマへの理解・対応力、開発・技術スキル、完成品の仕上がり具合などを、よりリアルに判断できると考えたのです。「設備稼働データ集計ソフトの開発」も、そのひとつ。弊社では、製造ラインの稼働時間分析が重要なテーマとなっていました。製造ラインの稼働時間を記録したデータはあるものの、それを集計・加工・可視化するソフトがなく、データを有効活用できていない状態でした。同ソフトは社内メンバーだけで開発することも不可能ではなかったのですが、現状のスキルでは時間がかかります。このテーマなら、エニシアスのパートナーとしての能力を測ることができると判断しました。弊社と連携したソフト開発を行う中で、エニシアスと密度の濃いコミュニケーションが生まれ、技術力のみならず、コンサルティング力についても、彼らのポテンシャルの高さを実感しました。
たとえば、ソフト開発の入り口といえる仕様書の作成では、弊社のニーズと提供する基本情報に対して綿密なコンサルティングを行い、完成度の高い仕様書を仕上げてくれました。“仕様書をしっかり書いてくれたら、その通りに作ります”という受け身のSlerが多くを占める中、弊社に寄り添い、エンジニアの見地からハイレベルで納得のいく仕様書・提案書をスピーディに作成したエニシアスの対応力は特筆すべきものでした。また、決定内容に基づき、一気呵成にソフト開発・納品までを3週間弱で進めたスピードの速さ、ソフトも不具合なくテストされた形で納品してくれるなど、弊社が必要としているパートナーとなりうることを確信しました。
細かな機能開発でエニシアスのフレキシブルな対応力を実感。
近年の取組として弊社では、「設備稼働データ集計ソフト」の開発と並行して、エニシアスにさまざまな案件の開発を依頼しました。その背景には、最終的に全社データの分析システムをエニシアスと共創していきたい、という思いがありました。そこで、データ分析システムの細かな機能を切り出して開発を依頼することで、クラウド以外のシステム開発など、どこまで柔軟な対応ができるのか、エニシアスとして弊社向けの体制がどこまで組めるのかを見極めたいと考えたのです。開発案件は「新データ分析基盤システムの設計・開発」を軸に多岐にわたります。これらはクラウドの切り口から離れたテーマですが、エニシアスは、専門的な知識・技術・コンサルティング力で弊社の課題を抽出し、ベストな解決策を提案してくれました。
さらに人材面においても各案件を担当するに相応しい実力あるエキスパートを人選・配置するなど、人材固定型のSlerでは真似できないフレキシビリティと、ソフトにもインフラにも対応できる総合力の高さを見せてくれました。2017年から始まった一連の試験的な開発案件通じて、エニシアスの総合的かつ高度なスキル、柔軟な対応力が弊社の期待以上であったことから、2019年夏、エニシアスを弊社の正式なパートナーとするべく、社内各部門のコンセンサスを得て、主要なパートナーと認められました。
Phase3エニシアスと企業価値を生み出す。将来展望
信頼を重ねて基幹システムの刷新を
エニシアスと共に。
エニシアスに基幹システムの刷新を依頼するに当たり、まずはデータ分析基盤をしっかり構築したいと考えました。そのために、サーバー、ネットワーク、ソフトの全てをエニシアスと共に作り上げることにしました。「設備稼働データ集計ソフト」は、数ある機能の中のひとつですが、その他の機能も含めて、全体をきれいな形で再構築するための議論からスタート。また、システムに関する相談やオンライン会議を社員同士のようにエニシアスとできる環境を整備したことで、両社に距離感のないコミュニケーションが生まれたことも、今後の開発に良い結果をもたらすと考えています。現在、「新データ分析基盤の構築」を軸に様々なシステムの開発が進んでおり、オンプレミスで開発したシステムについては、社員が利用できるファーストリリースの段階まで到達しています。一方、クラウドへの移行に向けても、エニシアスとの具体的な取組みが始まっています。弊社の場合、これまでの経緯の中で、クラウドへの完全移行が難しいことが判明したため、まずはメンテナンスの負担が大きい部分から順次クラウドへ移行し、オンプレミスとクラウドをシームレスにつなぐハイブリッド環境を目指しています。さまざまな要望に応えようとすれば、必然的にパートナー数も増え、業務も複雑化・煩雑化しますが、エニシアスならワンストップで対応してもらえるため、すべてのテーマを共有し、ハイレベルな結果を導き出すことができます。この点においてもエニシアスをパートナーに選んで正解だったと考えています。
MECS、その名に込めた決意を
エニシアスと共に育てたい。
出会いから現在まで、エニシアスの姿勢にブレはありません。どんなテーマに対しても、できないと言わずに考え抜く、徹底的に調査する。たとえ、予算の少ない案件であっても、しっかりとした事前調査を行い、これならロームに対して自信を持って勧められる、というレベルまで落とし込んだ提案をしてくれます。この姿勢が高い信頼感につながっています。私の部署では上司を含めてエニシアスの技術力・対応力に満足しており、他部署においてもエニシアスとの強い信頼関係が結ばれています。システムで何かあればエニシアスが助けてくれる、という安心感が実感できることも、同社の実力の一端といえるでしょう。
また、コスト面においても、弊社に対して、多様な人材を投入しているにもかかわらず、稼働率等で人材を入れ替えながら、コストパフォーマンスに優れた適材適所の配置を行っています。いまやエニシアスは、社内メンバーであり、エンジニアの一員として、弊社に不可欠なパートナーのポジションを確立しつつあります。私たちは、開発中の基幹システムをMECS(メックス:MES* Equipment Communication System)と命名しました。その名には、既成概念を超えて、メーカー基幹システムの新たな在り方を示し、次代をリードする企業価値を創造する、という、私たちの決意を込めました。弊社との縁(エニシ)を明日(アス)へつなげるエニシアスと共に、この決意を大きな成果へ育てていきたいと考えています。
※MES =(Manufacturing ExecutionSystem:製造実行システム)
製造工程の把握や管理、作業者への指示や支援などを行う「製造実行システム」のこと。MESは広義の生産管理システムのひとつで、工場の生産ラインの各製造工程と連携できることが最大の特徴です。作業手順管理、入荷・出荷管理、品質管理、保守管理など11の機能があり、その機能すべてを用いるのではなく、必要に応じてその機能を利用するのが一般的です。
※ Google Cloud は、 Google LLC の商標です。
※ 記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
- ローム株式会社
生産システム開発部
東 剛様 - 生産システム開発部にて自社工場向けシステムの開発・管理に従事。主な業務内容は自社の製品品質向上、工場管理を目的としたデータ利活用、システム構築及びサーバー管理など多岐にわたり、ご対応。生産システムの開発を担当する傍ら、ビッグデータ分析を見据えたデータ分析基盤を構築されており、クラウド活用を視野にご活躍中。
ご提案させていただいたソリューション
Customer Success STORYBacknumber
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04
- 東京都クリーニング生活衛生同業組合様
- Salesforceを信頼して任せられる
エニシアス。改修、運用、個別開発など、
どんなことでも頼れるパートナー。
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03
- 一般社団法人神奈川県サッカー協会様
- 協会内の情報システム担当者のように、
気軽に相談できる信頼関係。
安心できる大切なパートナー企業。
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02
- ローム株式会社様
- 比類ない技術力・対応力を実感。
エニシアスと共に
データ分析基盤の構築へ。
-
01
- 北海道テレビ放送株式会社様
- テレビ局の膨大な視聴データを
リアルタイム分析。
エニシアスと共に
次代の価値を築く。